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自社商品「ラボタオル」「ラボタオ ルミニ」「CARBO-R NEW」の紹介

1. はじめに

当社は社名の由来であるユニーク(独創的)でユニバーサル(総合的)なケミカル(理化学)カンパニーとして、モノづくり企業を主とするお客様、社会や地域、組織などが抱える課題や諸問題を、理化学技術を基礎とした独自のアプローチで解決する活動を行っています。そうしたモノづくり企業を始め社会・地域を支援する当社の目的を達成するため、現在次の3 つの事業を展開しています。

① 分析事業 理化学分析・試験・検査・計測、公害測定・環境調査、受託研究、消防法試験・火災原因調査 等
② 商品事業 オリジナル商品の開発・製造・販売、OEM 受託、化成品・測定機器の取扱販売、SDS 作成支援 等
③ 新事業  教育・コンサルティング、宇宙関連事業の企画・運営、理化学分析の内製化支援、嗜好品企画開発 等

特に②商品事業は、創業(1972 年)から52 年目を迎えた現在まで続く、分析事業と並ぶ祖業です。その活動は、従来分析事業内の1 グループが担ってきました。その後2022 年4 月に分離独立した「商品事業本部」が、一事業部としてその活動を引継ぎました。その設立目的は、商品開発・改良の加速化と品質管理の厳格化、商品の安定供給体制強化を促進して、お客様や社会へ今以上に貢献することにあります。

そこで本稿では、新設された商品事業本部が注力する主要商品「ラボタオル」「ラボタオルミニ」「メタルクリーナーCARBO-R NEW」についてその仕様や特徴、開発の目的・経緯などを紹介します。

2.商品一覧

現在の当社オリジナル商品の一覧を表1 に示します。

表1 商品一覧

以上7 種類の商品を国内外のモノづくり現場、同業社である測定分析機関、一般ユーザーなどへと展開しています。次項より、上記7 種類の中から主要2 商品について詳細に解説を加えていきます。

3.主要製品の紹介

(1)商品の特徴 -分析会社が作った分析会社のための紙ウエス-

二つの商品は、ラボ(研究室、分析室)での使用を想定して開発した高品質、高性能な使い捨てタイプ(ディスポーザブル)の紙ウエスで、主な特徴は以下の3 点です。

3. 1 ディスポーザブル紙ウエス「ラボタオル」「ラボタオルミニ」

写真1 ラボタオ
レギュラーサイズタオル

写真2 ラボタオルミニ
スリムサイズタオル

① クリーンな紙質
塩素、硫黄などの腐食原因物質が少なく、払拭による残留汚染が起きにくい(図1)
② 高強度、低発塵
繊維の結合を強化して繊維脱落を防ぎ、使用による毛羽立ちや紙粉発生を抑制し(図2)、繰り返し使用可能な強度も併せ持つ。(図3)
③ 高吸収性
表面のエンボス加工により高い払拭性能と吸収性能を実現。(写真3,図4)

「ラボタオル」「ラボタオルミニ」は、以上の機能を、当社ラボでの分析技術者によるフィールドテストや物性試験・成分試験などにより実証確認しています。分析試験所、検査機関、精密部品を取り扱う事業所など、腐食やコンタミネーションを避けたい現場での使用に適した指向性の強い製品として開発・販売しました。

図1 腐食性ハロゲン溶出量
図2 紙粉付着度

耐久性試験(ドライ擦過性)
試験方法:自社試験方法(研磨紙上を一定速度・荷重で擦り合わせる。)写真は試験後の紙ウエスの状況を示します。7 往復しただけの比較サンプルに破損が見られる一方、試験25 往復後のラボタオルには破損が認められません。

図3 耐久性試験
「ラボタオル」25往復後

「比較サンプルⅠ」7往復後
図4 吸水度
エンボス

図5 紙の内需推移
(日本製紙連合会ホームページの「紙・板紙内需」データを編集し図にした)

人口減少やIT 化の加速等の影響により紙全体の需要は減少の一途をたどる一方、衛生用紙のみ微増ではあるが上昇傾向を維持しています。個人消費や業務用など、払拭に使用する紙の需要は伸びていると判断されます。

当社製品「ラボタオル」「ラボタオルミニ」も同様の傾向であり、2006 年の発売開始以来17 年間、おかげさまで順調に出荷数量が伸びています。特筆すべきは、当初想定した市場以外での需要増です。そのユーザーは整備・修理工場、食品工場、病院、介護施設、学校、保育所、アミューズメント施設など多岐にわたります。前述した製品の特徴が、期せずしてこれらの現場が抱えるニーズにも適合したからだと考えられます。

昨年度のユーザー比率を図6 に示します。検査分析試験所、精密部品取扱事業場以外での需要が多いことが分かります。

図6 2022 年度出荷先比率 ラボタオル、ラボタオルミニ

(3)製品仕様

「ラボタオル」「ラボタオルミニ」は姉妹品です。違いはサイズとプライ数(貼り合わせ枚数)で、目的に応じて使い分けます。各々の製品仕様を表2 に示します。

表2 製品仕様

3. 2 金属脱脂洗浄剤 メタルクリーナー「 CARBO-R NEW(カルボアール ニュー)」( 以降「カルボR」と記します)

(1)開発経緯 -製造に係るお困りごとの解決策-

カルボRは、金型洗浄剤として1981 年に販売を開始したロングセラー商品です。当時、金型の汚染による製品の成型不良に悩まされていた自動車部品メーカー様からの相談が開発のきっかけとなりました。金型を使用する成形加工には、プレス、鍛造、鋳造、射出成形、真空成形など様々な種類がありますが、いずれの加工においても金型の汚染は成形不良の一因となり得えます。一例として、ゴムの金型加硫成形で発生する成形トラブルと推定されるその発生要因について、表3 に記します。

表3 成形トラブルと内容、推定される発生要因
(注)山口幸一3) の報告にある 表1 から一部抜粋して転記

上記の通り、金型は様々な物質による汚染のリスクにさらされており、定期的に洗浄を行い、清浄な状態に保つ必要があります。
カルボR は成形不良(成形トラブル)抑止を目的として、原因となる金型の汚染を解決するために、金属表面に付着した種々の汚染物質を確実、迅速に除去するために開発されたエアゾール式金属洗浄剤です。

写真5 製品テスト(オイル除去)の様子
除去前
洗浄中①

洗浄中②
洗浄後(脱脂洗浄後にラボタオルで払拭)

(2)製品の特徴 -強力な洗浄力-

カルボRは、溶解力の優れた複数の溶剤に高極性溶媒を配合し、強力な浸透力、溶解力、分散力を実現しています。油脂類の汚れはもとより、カーボン(樹脂やゴムの炭化物)、タール質、製品からブリードした物質など、様々な汚染物質に対して効果を発揮します。特に、金属腐食の要因となる水分・水系汚れ(エマルジョン)も除去可能なのが特徴です。(写真5)

(3)広い適用範囲 -ハイエンドのパーツクリーナーとして-

カルボRは、高性能、高機能な仕様により、金型洗浄以外でもお役に立っています。治具・工具の洗浄、機械・設備のメンテナンス、業務用什器の清掃、自動車・オートバイ・自転車の整備など。ハイエンドのパーツクリーナーとして頑固な汚れを落す場面で使用されています。

4.さいごに

商品事業本部が主力商品と位置付ける2 商品ついて紹介しました。最近は各種メンテナンス作業において、カルボRで洗浄しラボタオルで拭き取りをするエンジニアの方が増えています。各々の性能を高く評価いただいてのセット使用は、開発・製造者として大変光栄に思います。
今後もユーザーの声に真摯に耳を傾け、より社会のお役に立てるよう商品の改良と開発に尽力致しますので、引き続き当社ならびに当社商品を御愛顧賜りますようお願い申し上げます。

[参考資料]

1)日本製紙連合会.製紙産業の現状,紙・板紙:需要推移. https://www.jpa.gr.jp/index.php(参照 2023-06-04).
2)日本金型工業会.金型ってなに?:金型の種類. https://www.jdmia.or.jp/mold/(参照 2023-06-04).
3)山口幸一.金型汚染など成形トラブルとその防止技術.日本ゴム協会誌.2017,90(2),p.47-53

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