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転記の誤-速報の精度向上-
巣ごもり休日に話題のアニメ映画「天気の子」をVODで鑑賞しました。とても感慨深く素晴らしい映画でした。色々な感じ方があるでしょうが、現下においては、私心と公心、その葛藤について考えさせられます。この数か月、葛藤しながら多くの人が自粛に努めました。そして景気後退など様々な代償を払い、緊急事態宣言解除に至りましたが、早くも第二波が懸念されています。経済再生と感染防止。次代への責任を負う私達企業人は、この相反する難題を葛藤し克服せねばなりません。
さて、分析結果の速報に関する取り組みについて紹介します。一刻も早く分析数値を知りたいお客様へ、EメールやFAXで速報するケースが多くあります。その報告書式に関する改善事例です。
通常の速報工程は、先ず現場担当者が分析で得られた数値を野帳に記入します。手書きの他に、データ入力・タイピング、分析装置からの印刷シートを貼付する、など種々の形態がありますが、これを一般的に「生データ」と言います。次にこの生データの桁整理などを行い、速報用の統一書面か正式レポートの下書きを作成し、責任者のチェックを経た後に速報します。
つまり、速報過程で生データから一度「転記」するのです。
そこには、速報であっても整った見栄えの良い物を提供しなければならないという、表層心としての顧客目線があるのでしょう。
しかし、誤りが2つあります。まず、転記工程がある分、時間をロスしてお客様を待たせてしまう事。そして何より、転記には誤植リスクが有り、間違った数値を報告する可能性が皆無ではないことです。お客様への忠心から行っているように見えて、実は体裁を気にしているだけで、深層的には私心に基づいているのかもしれません。お客様のため、ひいては広く社会のため、早く、正確なデータをお届けする。この、分析会社にとっての命題を成し遂げる方法は一つ。
「生データ」を速報する事です。
余分な情報はオミットしますが、分析担当者の手による生々しい数値の表記はありのままに。上長のチェックを経て、それを即そのまま送信します。見た目が悪く、統一性に欠けるといった代償はありますが、早くて正確であることは間違いない筈です。
整備された綺麗な書式と、粗野ではあるが原典に近い書式。どちらが安全で安心か…。それは、速報を受け取るお客様がお決めになる事なのかもしれません。これはまだ一部ご依頼での試みであり、全ての受託分析に適用出来る訳ではありませんが、お客様の意見を拝聴しながら、今後も展開していきたいと考えています。
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