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測り方改革Ⅱ-圧縮空気測定 オイル蒸気の時短採取-
圧縮空気の清浄度を評価する項目に「オイル蒸気及び有機溶剤」があります。(以下「オイル蒸気」という。)オイル蒸気は気体の状態で存在するオイルで、等級1~2に相当する高品質な圧縮空気には必須の測定項目です。
オイル蒸気の測定方法はJIS B 8392-5で以下のように規定されています。
圧縮空気を活性炭などの吸着剤に通気させてオイル蒸気を捕集し、分析室へ持ち帰ります。そして、吸着剤から溶媒を用いて成分を抽出し、その抽出液から微量(数μL程度)を分取してGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)でオイル蒸気の量を分析する事となっています。
しかしこの方法、分析感度を稼ぐためにオイル蒸気を濃縮して捕集する必要があります。そのため多量の空気を吸引しなければならず、現地での作業時間が4時間から最長8時間近くに及ぶ場合もあります。
昨今、新型コロナ禍により事業所への入構、滞在が制限されています。それでなくても、製造現場での長時間にわたる作業は迷惑なことだと思います。少しでもお客様のご負担を減らすにはどうすれば良いのか。当社が考えた方法は・・・
TD-GC/MS(加熱脱着-ガスクロマトグラフ質量分析計)による分析です。
TD-GC/MSは、吸着剤を加熱して成分を脱着させた後に、濃縮して分析します。捕集成分の大部分をGC/MSへ直接導入出来るため高感度な分析が可能です。したがって現地での空気採取量も少なくて済み、作業時間は30分から1時間程度と、圧倒的な時短採取です。しかもこの方法なら、今まで受託が困難であった等級0の任意基準値による低濃度分析にも対応可能です。
JISには準拠しませんが、製造現場の負担が軽減できるだけでなく低濃度分析も可能と、利点が大きいTD-GC/MS法はお客様に大変喜ばれています。
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